東員町立神田小学校 日置校長先生 インタビュー

「学び合い」を基本に、一人ひとりに合った学びを目指す「東員町立神田小学校」

「自立する力」と「共に生きる力」を育む「東員町16年一貫教育プラン」の理念に基づき、仲間同士助け合いながら学ぶことや、あいさつ・掃除などの生活の基本となる取り組みを柱としている小学校。地域の支えもあり、温かい雰囲気の中で児童はのびのびと学校生活を送っている。今回はそんな神田小学校の魅力について、日置校長先生にお話を伺った。

学ぼうとする姿、挑戦する姿をつくる学習の場

今回インタビュー取材にご協力頂いた日置校長先生
今回インタビュー取材にご協力頂いた日置校長先生

――学校の概要について教えてください。

日置校長先:1875(明治8)年に開校した「鳥取学校」と「穴太学校」を前身として、1887(明治20)年に創立した歴史ある小学校です。2005(平成17)年に教室を増設しましたが、現在も児童数は少しずつ増えています。東員町の中で神田小学校だけが児童数の増加があることも特徴ですね。各教室にはエアコンが導入されているので、夏でも快適に学習することができます。また、ICT(情報通信技術)を活用した学習にも取り組んでおり、大型テレビを使って教師の手元やノートを拡大するなど、児童の理解へつながるよう工夫しています。

ICTを活用した学習にも取り組む
ICTを活用した学習にも取り組む

――学校の教育目標と児童の様子を教えてください。

日置校長先:学校の教育目標は「知・徳・体の基礎を育み、学びに挑戦する子どもをめざして」です。それを具現化するために、児童の目標として「学力の向上」「あいさつの推進」「そうじの徹底」を掲げて、当たり前のことがきちんとできるように、教職員が一体となって進めています。授業では、分かることを発表し合うのではなく、分からないことに挑戦していこうと教えています。学習内容によっては、ペアを組んだり、4~5人ほどの少人数でグループ学習をしたり、仲間で学び合いながら授業を行っています。

「東員町16年一貫教育プラン」に基づいた、仲間とつくる勤勉性

「神田小学校」の全校児童目標は全教室に掲示されている
「神田小学校」の全校児童目標は全教室に掲示されている

――学力の向上のために、他にも取り組んでいることはありますか。

日置校長先:東員町は「東員町16年一貫教育プラン」に取り組んでおり、子どもたちの「基本的信頼感」「自己肯定感」「自己有能感」の3感を育むことを目標としています。これをベースに、本校では児童の「勤勉性」を育てていくために、「全校児童目標」を掲げて、仲間と関わり合いながら生き方を広げることを大切にしています。そして、授業では全学年で算数の少人数授業に取り組んでいます。学年によって異なりますが、この少人数授業によって児童の学ぶスピードに合わせた学習を行うことができます。

児童たちも積極的に授業に参加
児童たちも積極的に授業に参加

また、教師自身も児童一人ひとりの課題に寄り添い、質の高い学びを提供しています。私が教師を目指した理由は、親身になって教えてくださった高校の恩師に憧れがあったからです。恩師のように、子どもたちの声や気持ちに耳を傾けて、子どもたちの思いを受け止めることができたらといつも考えています。

――東員町全校区で行っている取り組みもあると聞きました。

日置校長先:東員町独自の「東員学び検定」や子どもたちの体力向上のための「東員なわとび検定」、東員町推薦図書を301冊読む「読書登山」などは本校でも取り入れています。「読書登山」に関しては、親子で熱心に取り組んでいると好評で、とても嬉しく感じています。また、2020年度から英語が本格実施されますが、東員町各小学校では今年度から前倒しで取り組み始め、子どもたちも楽しみながら学習しているようです。

地域交流が生まれる「あいさつ運動」

日置校長先生
日置校長先生

――「あいさつの推進」「そうじの徹底」については、具体的にどのように取り組んでいますか。

日置校長先:あいさつは「人を幸せにする魔法の言葉」として児童に伝えています。普段から教師も積極的に声をかけますし、「あいさつするんジャー」に扮する児童会役員がリードして、子どもたちの中にあいさつの輪が広がっていると感じます。また、中学生になった卒業生たちが登校時に本校へ来てあいさつ運動をしてくれる影響を受けて、本校の児童会役員も隣の幼稚園・保育園へ出向き、自分たちが見本になってあいさつ運動をするようになりました。

地域との関わり合いである「あいさつ運動」を大切に
地域との関わり合いである「あいさつ運動」を大切に

掃除は心を磨き、人が嫌がるところも綺麗にすることで、「やりぬく力」を育てることができます。サッカーワールドカップで日本代表が使用した後の整理整頓された控え室を例えながら、目標を掲げて取り組んでいます。

全校合唱の美しい響きや読書で育む豊かな心

――5、6年生の委員会の一つである「歌声委員会」の活動について教えてください。

日置校長先:「歌声委員会」は全校合唱のリーダーです。かつては全校合唱を教師主体で進めていましたが、それを今度は児童の活動にしようと、近年委員会活動として始めました。後期の歌は卒業式で歌う曲を練習し、前期は委員会で決めた目標に沿った曲を歌います。
今年は「みんなが仲良くなるように、元気で明るい曲」と決めて、児童が「にじ」を選曲しました。家庭でも歌っているようで、保護者からは「良い歌ですね」というお声を頂き、歌の輪が広がっていることを実感しました。

歌声委員会
歌声委員会

――朝読書や読み聞かせなど、本にふれる時間も多いようですね。

日置校長先:本校では毎朝10分間の朝読書の時間を設けています。特に、毎週水曜日には、1、2年生を対象に東員町の「朗読ひばりの会」による読み聞かせをしていただいています。この「朗読ひばりの会」は30年の歴史がある組織で、まるで舞台を見ているかのような朗読をしてくださったり、ロール絵本を使った朗読など、子どもたちもとても楽しんでいます。

「朗読ひばりの会」による楽しい読み聞かせ
「朗読ひばりの会」による楽しい読み聞かせ

地域からの支えや小中連携で、安心した学校生活を送る

――地域とのつながりはありますか。

日置校長先:登下校時の見守り活動には、校区内で170名以上の地域の方が登録されています。途中まで一緒に登校してくださったり、危険ポイントに立って安全を確保してくださったり、交通安全だけでなく、不審者の防犯にもつながっており、本当に感謝しています。また、草刈りや窓掃除など、定期的に毎週学校の環境整備をしてくださる方、ミシン実習や調理実習などの補助をしてくださる方、本の修繕をしてくださる図書ボランティアの方など、たくさんの方に支えられています。
また、地区は限定されるのですが、集団下校をしている水曜日に地区の集会場に老人会の方が集まってくださり、児童の宿題をみたり、一緒に遊んだりと児童の居場所を作ってくださるところもあります。このように、児童はたくさんの地域の方から温かい気持ちを頂いて、日々を過ごしています。

地域の人との「ミシン学習」
地域の人との「ミシン学習」

日置校長先:また、卒業生が進学する「東員第一中学校」とは、進学の際に子どもたちが戸惑わないよう、学習面と生活面で統一した指導を目指して常に連携を取っています。そのほか、隣接する「神田幼稚園・東員保育園」との連携も大切にしています。このことも、子どもたちの安定した学校生活につながっていますね。

東員町らしさのある文化とふれあえる東員町

「神田小学校」の外観
「神田小学校」の外観

――日置校長が考える、東員町の良いところを教えてください。

日置校長先:文化の香りがするところですね。「子ども歌舞伎」は東員町出身の歌舞伎俳優 七世松本幸四郎を顕彰した活動で、20年以上続く東員町独自の文化です。12月23日には、作家なかにし礼さんの作詞した日本語で第九を歌う「東員 日本の第九 演奏会」が開催されます。1989(平成元)年から続けられ、毎年オーケストラをバックに町民が素敵な合唱を披露してくださいます。そのほか「オーケストラと歌おう」の取り組みなどを通して、大きなステージで貴重な体験をしている児童もいます。

「子ども歌舞伎」(提供:東員町役場)
「子ども歌舞伎」(提供:東員町役場)

東員町は発達年齢に沿った教育制度が充実しており、独自の文化に包まれながら子育てができる子育て世代にぴったりの町なのではないかと思います。本校の教職員も、子どもの「生きる力」を育むために日々取り組んでいます。

日置幸嗣 校長
日置幸嗣 校長

東員町立神田小学校

校長:日置幸嗣先生
所在地:三重県員弁郡東員町六把野新田100
電話番号:0594-76-2305
URL:http://www.town.toin.lg.jp/contents_detail.php?frmId=1448>